2009-09-30

Qwerty キーボード配列はどうやって生まれたのか?

パソコンのキーボードは、判で押したやうに「Qwerty 配列」が採用されている (例へぼくが Dvorak 配列愛好家だとしても、それは否定できない)。では、その「Qwerty 配列」はどうやって生み出されたのか? 実は、これが「謎」であり、誰にも分かっていない。

京都大学の安岡孝一氏は、特にこの問題に興味を持っておられて、過去の特許記録 (1800 年代のもの!) から各種論文を 500 近く参照し一冊の本を書き上げた。

キーボード配列QWERTYの謎

この本を読むと、巷で良く言われる俗説:

  • 印刷工がよく使う文字を並べていたのを見て、参考にして配列を考えた
  • 高速にタイプすると、バーが絡まってしまうので、わざと遅くなる配列にした

が嘘なことが良く分かる。

Qwerty 配列はいきなり出来たわけではないし、たった一人の手によって生み出されたものでもない。沢山の人が開発に関わり、様々な特許と思惑に翻弄されて、タイプ・ライター開発者 Sholes へと結実する。

「キーボード配列 QWERTY の謎」の欠点に、この配列変化の歴史を細かく追いすぎて、どう配列が変わっていったのか分かりにくい点があった。せいぜい目次ページの前に、5 点の図版がある程度。もう少し詳しい変遷図が欲しいと思っていたら、(著者の) 安岡氏がブログの記事にしなさった。

この変遷図を見て、Qwerty 配列成立の歴史に興味を持たれたら、「キーボード配列 QWERTY の謎」のご一読を勧める。「謎」はミッシング・リンクを残して、最後まで「謎」のままなのだけど、キーボード配列 (というかタイプライター) 成立の時代背景が分かってとても楽しい読み物になっている。

最後に、もう一つ、この本のレビュー記事を紹介しませう。

2 comments:

  1. この記事すっごいおもしろいです(興味深いという意味で)。ずっと不思議だったんですよね~。
    トラックバックさせていただくかも……。

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  2. ノーラさん、はじめまして。コメントありがとうございます。これだけネットが発達したのに、QWERTY 配列の由来が良く知られていないのも不思議な話ですよね。

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