2010-02-24

「ネット時代のメディアとジャーナリズム」イベントに参加した

日本経済新聞社が新しいサービスを発表した。その発表に対するパネル・ディスカッション・イベントが開かれたので、ブロガーとして聴講してきた。といっても肝心のサービス発表は、イベントに遅れてしまったので聞けなかったのだけど...

日経新聞 電子版

この電子版は月 4000 円で提供される。千円多く払うと、新聞の宅配も行なってくれる。

サービスの特徴は次の通り:

  • 3/25 からサービス開始
  • 朝刊・夕刊の最終版を提供
  • 記事は 1 週間分閲覧可能
  • 過去 5 年分の記事を検索可能 (月 25 件まで; 以降は有料)
  • キーワード登録で記事のフィルタリングができる
  • 記事 100 件までを保存できる

iPhone 版の「産経新聞」との違いは、「産経新聞」は一日分しか楽しめないこと。一週間分の閲覧はできないし、検索も不可能、記事の保存もできない。ただし、iPhone という携帯デバイスへの対応度は高い。

言い換えれば、ウェブ・サービスとしての日経新聞 電子版は機能は豊富だけど、携帯デバイスへの対応が低いと言えそう (あくまで iPhone 版 産経新聞と比べてね)

パネル・ディスカッション

流れが早すぎて、まとめきれない。箇条書きで、つらつらと気になった発言を取り上げてみる

  • 四千円を払うだけの価値を見出せない
  • Twitter を始めとするオープンなプラットフォームとの連携ができないのは面白くない
  • Kindle のように自動配信されるのは楽である
  • 5 インチから 10.5 インチのデバイスには「用途」が決まっていないし、「勝者」が決まっていない。
  • 電子版は「新聞」の延長なのか「電子媒体」の一つなのか? 両者は相いれない。

あとがき

最近 (昔も?) 新聞を読んでいない。一番の原因は時間がないこと。

時間がないことへの対策としてぼくは、最新のニュースを Twitter で、まとまったニュースや意見をフィードリーダーで集めている。それでも時間が余ったら Google News を覗いている。

紙の新聞はポストに取りに行く暇がないし、読む機会がない。家で読む時間があればブログを書いているし、電車の中では Twitter か Google Reader (mobile) を見ている。それ以外の時間は仕事している。仮に読む機会があったとして、新聞の中から興味のある記事を見つけるのが大変。面白い記事を読んでも、活用するのが大変。スクラップ・ブックを作る時代じゃない。

電子版は「紙」の媒体の欠点を補う。

ただ悲しいかな、今のぼくは PC で新聞を読む時間すらおしい。その時間は、もっと他の作業を行ないたい (大きな画面で DVD を見るとか、ブログを書くとか、プログラムを書くとか)。「活字を読む」という作業は、PC に座らないと出来ない作業じゃない。もっと隙間時間でやりたい。

少し話は変わるけど、ぼくは大のマンガ好き。ところがサンデーの一部のマンガがネット版 (クラブ・サンデー) に移籍してしまった。iPhone からクラブ・サンデーは見られない。PC からでないとマンガが見れない。以来、ぼくはそのマンガを読まなくなった。大好きだったのに。理由を考えたんだけど、おそらく PC で読むにはプライオリティーが低すぎるんだと思う。

いわんや新聞をや。

もっとアクセスし易くして欲しい。そのアクセスのし易さが、Twitter, Google Reader, Google News にある。日経新聞に限らず、新聞に限らず、「活字」な文化は、いかにアクセスしやすくするかがポイントではないかと思う。それはモバイルであれば良いし、ソーシャル的であれば尚良い。アクセスしやすくなるから。まずアクセスし易くないと、ぼくは「新聞」を読めないなぁ。

課金について

アクセス性が高くなるとフリー (無料) でないといけない? するとサービスとしてやっていけない?

でもそれじゃ、ぼくはお金を払わない。だってアクセス性が悪いままだから。何故アクセス性が悪いか? 「囲い込み」が新聞社だけで行なっているから。

例えば Twitter のような大きなプラッフォームで「課金」してくれるとアクセスが「楽」になる。日経新聞を全文読めるなら、Twitter プロ版もありだと思う。それなら従量課金でもいいよ (高すぎなければね)。そういう大きなプラットフォームと連携して行く道を開いてみてはどうかしらん。

2010-02-13

Google Buzz が始まった

2010-02-10、Gmail の付属機能の一つとして Google Buzz なるサービスがスタートした。

これを一言で何と言えばいいのか? ソーシャル・ブックマークや Twitter が世に出てきた時のやうに良い表現が見当たらない。Google はコミュニケーションを豊かにするサービスだと言っている。世の中の人は FriendFeed に近いものだと言っている。ぼくは FriendFeed を使っていないので、むしろ Google 版 Twitter の雰囲気を受ける。

Google Buzz を開くと「Share what you're thinking」という文字と共に入力ボックスが現れる。ここに何かつぶやくと、自分を「follow」してくれてる人達にその言葉が送られる。一方、自分の Buzz ページには、自分が「follow」した人達のつぶやきが Twitter のタイムラインよろしく表示される。

Google Buzz の反響は大きなものになった。その理由の一つに、プライバシー問題が上げられる。Gmail や Google Profile と連携しているところが Google Buzz の長所だったはずなのだけど、ことプライバシーについてはこの長所が裏目に出た。本名や現在地が「自分の意図に反して」公開されてしまうと大騒ぎになった。この点について Google はその日のうちにブログの記事を一本、2 日後に更に追加のエントリーを投稿して鎮静化に努めた。

たった数日で大きな反響を生んだのは、Google Buzz が「プライバシー問題」を含んでいたからかな。Google の新サービスは、いつも完璧からは程遠いレベルからスタートするけれど、いつも大きく取り上げられるのは、プライバシーが絡んだ時 (Street View の時もすごかった)。

使い方

Google Buzz は大きく分けて 3 つの入り口を持っている。一つは PC のウェブ・ブラウザーで Gmail を開いてアクセスする方法。もう一つは iPhone で buzz.google.com にアクセスする方法 (iPhone の Safari で Gmail を開くと Buzz へのリンクが現れるので、URL 直打ちの必要はない)。最後の一つは Android で iPhone と同じやうに buzz.google.com にアクセスできる他、Google Maps アプリとも連携している (ぼくは今 Android 機を持っていないので未検証)。

Google Buzz で最初にすることは、twitter と同じく友達を follow すること。Twitter での経験を基にすると、なるべく趣味の合う人達を沢山 follow するのが、この手のサービスを楽しむコツだった。最初は Gmail のコンタクト・リストから、後は follow した人を辿って following を増やしていくしかないかな?

友達を follow したら、次は自分で Buzz する。他人の Buzz を見る。Buzz を読んでコメントを返してコメントの返事を読む。ここら辺は Twitter と同じ。これはぼくが Google Buzz を Twitter 的に促えているからかな? きっと FriendFeed のやうだと言っている人達は違った視的で Google Buzz を見ていることと思う。

そして、Google 自身もぼくら利用者の動きに合わせて仕様を変更してくるでせう。今ままでの Google のサービスはさうやって進化してきた。Google Buzz も同じ道を辿ると思う。

落ち穂拾い

iPhone から使っていて気がついたことをいくつか (Gmail インターフェースからは、何か言えるほど使い込んでないので)。

  • Google Talk の Syntax が使える (*bold*、_italic_、-strike-、ただしスマイリーには非対応)
  • Buzz した現在地は Google Latitude に反映されない
  • Twitter と違って文字制限がない?

あとがき

Google Buzz は follow する人・follow される人が少ないと楽しくない。そして Google Buzz で Buzz る人が少ないと面白くない。だから、ぼくは Twitter から離れられない。きっと Twitter と Google Buzz の両使いをすることになる。Google Buzz の仲間が Twitter と同じ位いに増えるまで。

願わくは、もっと沢山の人達が Google Buzz で遊んでくれたらと思う。さういふわけで、まずは自分から動いてみる。

Google Profile にぼくの最近の Buzz と following と follower が表示されている。「follow」ボタンも当然ある。良ければアクセスして、ぼくを follow して欲しい。