2012-06-15

miil vs SnapDish 〜 食事の特化した写真 SNS アプリの比較

ここ連日で、miil と SnapDish という二つの「食事」に特化した写真 SNS アプリを紹介した。本エントリーでは、二つのアプリを比較してみる。比較するのは両方とも iPhone 版のアプリ。

現時点でのぼくの結論を先に書く。miil はシンプルさとスマートさを売りにしたアプリ。SnapDish は多機能さを売りにしたアプリ。

カメラについて

miil のカメラの良い点は

  • 水平線が出る
  • アップロードする写真部分のみが表示される

SnapDish のカメラは iPhone のカメラと変わらない。良い点を一つ。

  • カメラロールから写真を選択できる

カメラロールの写真が使えるのは大きい。シチュエーションによっては、料理を写真に撮るのさえ憚れる。そんな雰囲気で、タグを入力したりアップロードするのは厳しい。カメラロールの写真が使えるとなると、とりあえず写真だけ撮っておいて、後からアップロードが可能になる。この機能は是非、miil も取り入れて欲しい。弱点を言えば、料理の名前を忘れるケースがある。郷土料理やコース料理では、この料理、何て名前だったかな? と困る。この解決策は miil, SnapDish ともに持っていないので、何かしら良い案を出して欲しいもの。

SnapDish の不満は miil が持っている機能を持っていないこと。特に写真のどこを切り出すのか分からないのは、ちょっと不安。これは miil を見習って欲しいSee clmemo@aka: SnapDish は写真を切り抜かない

画面加工

miil は「銀ポチ」による手動加工と 4 つのフィルター・ボタンを持っている (そのうち 2 つのフィルターは遊びの様なもの)。

SnapDish は手動によるボケ機能と 3 つのフィルター・ボタンを持っている。

ぼくは写真に詳しくないので、どちらのフィルターが優れているか分からない。ただ一つ言えるのは、どちらのアプリもフィルター・ボタンの名前が分かり難い!! スタイルの良さを重視して、ああいう英語名にしているのかもしれない。それは百歩ゆずるとしても、フィルターの説明をアプリ内に含めて欲しい。

料理の説明

miil の入力項目は 3 つ。「説明」「ジャンル」「お店/場所」。共有機能は Twitter と Facebook が対象。

SnapDish の入力項目はデフォールトで 6 つ。「手料理」「料理名」「ジャンル」「レシピ」「場所」「相伴相手」。更にその他のオプション項目が 4 つ。「評価」「価格」「カロリー」「コメント」。計 10 個。共有機能は Twitter, Facebook, foursquare, Tumblr, Flickr, mixi, ブログ, メールの 8 つ。

miil をシンプルでスマートと呼び、SnapDish を多機能と呼ぶのは、この画面に依る。

miil の魅力は「説明」文に自由度が高いこと。料理の名前だけでなく、シチュエーションや雰囲気、気分などを書くことができる。一方、SnapDish は「料理」名しか入力できない。外食した時は良いけれど、自炊すると一つの料理を作るというより、昨日の残り物とかも出してくるので、SnapDish の入力欄の小ささは困る。

ジャンルについては、甲乙つけ難い。miil は多くの料理カテゴリーを網羅した上で「一つだけ」選択型。SnapDish は 2 つの特長がある。1 つは「朝食」「昼食」などがこのカテゴリーに入っていること。もう 1 つはタグ式になっていること。肉料理にパスタにごはん、なんて変なメニュー (実際に出たことがある) を miil はカテゴライズできないけれど、SnapDish は可能。難を言えば、miil よりも料理カテゴリーの数が少ないことか。

場所の設定については miil がスマート。独自に「食事場所」だけを抽出して表示する。SnapDish は FourSquare の API を使っているらしく、「食事場所」以外の場所も現れるのがよろしくない。ただし、共有機能まで広げて考えると FourSquare の API を使っていることのメリットはある。SnapDish を多機能と言いつつも、スマートとは言わない理由はこういう所にある。

SnapDish には miil にない入力項目が 7 つもある; 「手料理」「レシピ」「相伴相手」「評価」「価格」「カロリー」「コメント」。手料理かどうかをタグ付けできるのはアイデア! 相伴相手を設定できるのも楽しい。他の機能は... 目の前に料理があったら、入力するより、早く食べたくなっちゃうかなぁ。そういう意味では SnapDish は食後にゆっくりと入力するタイプのアプリなのかもしれない。

SnapDish は共有機能も充実している。FourSquare と Flickr への共有機能は魅力的。

こう書いていくと、SnapDish 優勢に感じられる。けれど、ぼくはノーと言いたい。入力項目が多すぎる。完璧を期し過ぎている。入力項目の多い家計簿アプリは使われなくなる。SnapDish に機能多過な家計簿アプリと同じ危惧をぼくは持つ。「その他のオプション」として隠れている部分も、「入力項目が存在する」というだけで「入力」という心理的プレッシャーがある。miil はミニマムな美学を追求している。SnapDish に機能を削れとは言わないが、もっと最小限しかユーザーに見せない様な「スマート」さが欲しい。

SNS

フォローした相手の写真を見る画面は、どちらも特徴を出していて見易い。SnapDish は「もぐもぐ」してくれた相手にアクセスする方法が面倒。

近所の「食事」を探す機能も充実している。SnapDish は「近所」にアクセスするまでのステップ数が多いのが欠点。料理のジャンルを絞り込んで検索できるのは長所。

総括

miil はよくぞここまで機能を絞り込んだと思う。デザイナーのセンスが良い。シンプルに纏めているからこを、逆に、これからどんな機能を「追加」するかを選択するのが大変そう。

SnapDish は多機能で楽しい。今はアーリー・アダプターが使っていて、入力の手間を意識していないと思うけれども、開発者はそのアキレス腱に気付いているか? これから、どれだけ UI を向上させてスマートに使えるアプリにするか? う〜ん、こちらも大変そう。

miil と SnapDish、どちらが優れているか? その答えは出したくない。miil は今日、300 万食べたいを達成したという。逆を言えば、まだそれだけしか使われていないということ。miil がリリースされたのは 2011 年 10 月。SnapDish は 2011 年 5 月。まだサービスが始まって 1 年強しか経っていない。これからの進化を楽しみにしたい。

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