2013-09-30

「イシューからはじめよ」(安宅 和人) 〜 生産性の高さを上げる考え方

友達から「イシューからはじめよ」(安宅 和人) を借りて読んだので感想を書く。

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」
イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

いきなり話は免れるけど、IT 業界には少くとも 2 人の有名な「安宅」がいる。一人は本書の著者・安宅和人氏。マッキンゼーに入社後、アメリカ留学を経て、Yahoo! Japan の COO 室室長。もう一人は安宅基氏。Tokyo Otaku Mode の協同創業者/COO (Tokyo Otaku Mode についてブログの記事を書いたと思ったけど見つからない?!)。安宅などそんなにある名前でもないのに、「ataka」アカウントが取られている場合がある。その時は、この二人のうちどちらかがアカウントを取得したんじゃないかな〜、なんて思ってる。

閑話休題。

本書は「生産性の高い人」になる根っこの部分を解説している。元はアメリカ留学時代、周りの人達が高い生産性を出していたことに着目して、どうやっているのかをまとめたブログ記事。

これを、もっと詳しく丁寧に解説したのが本書。

序文からイカしてる。「<考える>と<悩む>は違う」。「悩む」は答えが出ない (考えるフリをしている) けど、「考える」は答えが出ることを前提にしている。

悩んでいると気づいたら、すぐに休め。悩んでいる自分を察知できるようになろう

安宅和人氏は、10 分以上考えているなら、それは「悩んで」いる、という。

「悩まない」というのは、僕が仕事上でもっとも大事にしている信念だ

イシューから考えよ

本書は、5 つのパートに分けられる。

  1. イシュー・ドリブン (イシューの見極め)
  2. 仮説ドリブン I (イシューの分解、ストーリーラインの作成)
  3. 仮説ドリブン II (ストーリーの具体化)
  4. アウトプットドリブン (分析)
  5. メッセージドリブン (分析結果の表現手法)

相手に伝えたいこと (分析結果や結論) を伝えるための手順を 5 つのパートに分けて、各々を説明している。用語「イシュー」「ストーリーライン」「ストーリー」などの説明から始まって、どのようなイシューが良いイシューか、悪いイシューか。また、ストーリーを組み立てるために「イシュー」をどう分解するか。その手法。分析を行なう上で注意すべき点。必要なら他人に頼る。論理の破綻をチェックする。分析表現を磨く、と続いてゆく。

例えば「良いイシュー」については、次の三つの要素が必要と言う。そして、具体的な説明に入る。

  1. 本質的な選択肢である
  2. 深い仮説がある
  3. 答えを出せる

一つ一つ説明していたら、本書の丸写しになってしまう。各論についてもトラブル・シューティングや具体例を出して説明があるので、じっくり読めば難しいことはない。

本書で説明していることは、小さなことならすぐに出来る。ただ規模が大きくなって、イシューを見極めるとなると何度も実践して失敗を重ねないといけない気がする。いわんや、結論を出すためにイシューを見極め、ストーリーを作り、分析し、表現手法に磨きをかけるとなると、想像の域を越える。

それをやるかやらないかで、生産性の差が出るのかもしれない。何度も何度も読み返して、自分なりに「イシュー」から始められるようになれればイイナ。

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